柴犬の妊娠・出産



交配適期は発情出血の初めから数えて12、13日目。
交配後、受精していた場合の妊娠期間は約63日間です。


愛犬の子供を望むのならば、まず第一にメスの柴犬の性周期のメカニズムを
理解しなければなりません。
メスが発情するのは年に1、2回で、特定の繁殖季節はありません。
生後6~12ヶ月頃に初めての発情を迎えた後は、およそ6~8ヶ月周期で
発情を繰り返していきます。

生理は発情前期に始まります。この時点ではまだメスは交尾を
受け付けません。(発情前期、及び発情期は飼い主が
お知りを触っただけで尾を上げて受け入れ態勢をとります)

柴犬の初めての交尾は、愛犬が身体的にも、精神的にも成長する
2回目以降の発情期まで待ちましょう。
逆に出産可能な年齢の限界はおよそ6歳までです。


メスの発情の周期は以下の通りです。

・発情前期(およそ6~10日間)
  交尾の準備期間。外陰部が赤く腫れ、出血が始まります。外陰部を
  しきりに舐めたりします。また、頻尿になり、動作に落ち着きがなくなります。
  オスを引きつけるフェロモンを出すが、まだオスは受け入れません。

・発情期(およそ10日間)
  交尾を許容する期間。出血が始まってから10~12日後に排卵が起こり、
  妊娠が可能な期間に入ります。
  発情期に入り2、3日後に排卵された卵子は約4日受精可能です。
 (出血は発情期を迎えると1、2週間程続きます。そのためペットショップで
  犬用の生理用パンツを履かせてあげると良いでしょう)

・発情後期(約2~3ヶ月間)
  発情が終了します。
  上述した通り、妊娠していた場合はこの期間内に出産となります。
  この時期に偽妊娠をする事があります。

・休止期(3~6ヶ月間)
  無発情期です。卵巣では次の発情に向けての準備が行われます。

一方オスはというと生後6~8ヶ月頃に性的に成熟したら、
それ以降いつでも交尾可能になります。

所属している畜権協会や愛犬雑誌、インターネットなどで
ブリーダーを探すか ペットショップや動物病院等で柴犬の
パートナーを 探し、交配をします。

妊娠の兆候は交配後約1ヶ月頃からあらわれます、
乳房全体が膨らんできたり、食事の量や好みが変わったり、
落ち着きがなくなったり等が主な症状です。
交配後4週間過ぎれば超音波検査で確認することができます。
偽妊娠の心配もありますのでかかりつけの動物病院で
検査してもらいましょう。

もし柴犬の妊娠が成功していた場合、普段より注意深くケアしてあげましょう。
散歩は運動不足にならない程度に行います。
ただし、ジャンプしたり、走るなどの激しい運動は控えます。
また、オスに近づけさせることもさせないようにしましょう。
シャンプーは母体が一番安定している5週目辺りに1度だけ行ない、
後は控えましょう。それ以外はタオルで拭いたり、ブラッシング
したりして清潔を保ちます。
食事は6週目あたりから妊娠犬用のメニューに切り替えます。
7週目に入ったら、普段の量の2割増を与えますが、
1回にあまり多く取れなくなるので、3回ぐらいにわけて与えましょう。

妊娠がかなり後期に入ると、母犬が穴を掘るような仕草を見せます。
これは巣作り行動と言い、出産が間近に迫っているという事を意味します。
産箱を作り、道具を揃えるなどして出産の準備を始めましょう。

予定日の数日前になったら動物病院で検査を受け、
胎児の数や大きさをあらかじめ確認しておきましょう。

出産の前には肛門の周囲や腹部、内股、乳房の周りの毛もカットしておきます。

出産の際、産室の温度は20℃を下回らないようにします。
特に冬の時期は注意しましょう。
母犬の体温が37度くらいまで下がり、呼吸が荒くなり、
ぐるぐる回り出す動作が見られたら出産直前です。
数回の軽い陣痛後、強い陣痛と共に第1子を産み落とします。
そして1、2時間後に第2子、その後は30分~1時間間隔で生まれてきます。

柴犬の胎児が途中で引っかかって出てこないときはガーゼを手に巻いて
そっとくるむようにつかみ、軽く回すような感じで引っ張り出します。

陣痛があるのになかなか生まれてこない、2時間経っても第1子が
生まれない、ぐったりとして痙攣を起こしている等という異常分娩
の時は直ちに獣医師に連絡し、その指示に従いましょう。

また、出産の兆候があるのに65日経っても出産しない場合は
獣医師に診てもらいましょう。帝王切開による出産になる場合もあります。




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